ステップ1 事前準備 part1

前提作業

事業所内の文書は、「法定文書」と、それ以外の「一般文書」の2種類に分けられます。
「法定文書」の文書管理は、文書の内容に応じて保存年数が法律で定められているので、この扱いは一般文書とは異なり、使用年度を超えると保存箱で所定の年数を保存し、保存期間が経過してから廃棄することになります。

「一般文書」の中には、規定類やマニュアルのように随時改訂や、差し替えをしながら永続的に使用する常用文書と、案件ごとに発生する文書や、業務上必要な情報や資料、ハウツーなどの参考文献があります。
頓活」での最初の分類は、「法定文書」と「一般文書」の二分類で考えます。つまり、「法定文書」でなければ「一般文書」という分け方です。
「法定文書」は、年度ごとに分けて「一般文書」と混在させないようにします。

また、管理職が保有する文書および文書ファイルは、一般職員の個人持ち文書とは考えを分けなければなりません。もちろん、廃棄すべきものは廃棄しますが、一般職員の廃棄文書とは一緒にしないほうがいいと思います。共有すべきものは組織文書としますが、管理職が保有する文書は必ず施錠を前提として「保管」します。本来であれば書庫で「保存」する際も、セキュリティーゾーンなどに置くべきと思います。

そのためには、文書管理を導入するときは、まず、管理職から着手すべきであると思いますし、管理職が率先することが成功の第一歩となります

文書量

一般的に「fm」という単位で表しますが、それは「ファイルメーター」の略称です。ようするに、手持ち文書の延べの厚みのことを表す単位のことです。
「ファイルメーター」は、特に移転などの場合、移転先のスペースに合わせて手持ちの文書量をはかり、持ち込める量に合わせて削減することになりますので、その計測は必須になります。
文書管理を新たに導入する場合には、収納量と収納場所を検討する場合の基礎データとします。

Action1個人持ちの文書は仕掛中だけに限定するという基準で見直す
Action2  対象文書(完結している文書はすべてが対象文書)に「個人情報」「営業秘密」「歴史的価値」が含まれていないかチェックする(該当した文書は別置きにする—「取扱注意」とする)
Action3  個人持ちの完結文書は、「廃棄」か「共有」かで分類する(「共有」とは共有スペースで管理するということ)
※「廃棄」する以上、事業所としての判断基準が必要になりますが、ここでの「廃棄」は、事業所判断以前の問題として個人で容易に判断できる廃棄基準の文書は、どんどん廃棄していきます。
Action4  廃棄か共有かの判別がつかない文書は、「判別保留」として別置きして後日、再度検討する(ただし、再検討のルールを事前に明確にしておく)

このようにして、まず個人持ち文書を「組織文書」にすることと、明らかに共有するほどではない文書を廃棄することが最初の一歩になります。
共有スペースにある文書ファイルも、同様の基準で一旦見直しをします。見直しには、残すべきか廃棄すべきかを、さらに第三者がチェックしなければならなくなりますので、ある程度のキャリアを積んだ人材を当てるほうが効率的です。

ファイリングについて書かれた書籍などには必ずといっていいほど、「整理」(不要なもを廃棄)と「整頓」(分類し合理的な配置をすること)の言葉の定義が説明されていますが、要するに、要・不要を明確にし、必要と思う文書は、仕掛中以外は全て「組織文書」として共有スペースで管理することが肝心だということです。
ここまでは、あくまでも現状の確認と、不要文書の廃棄を目指します。

まとめ

  • 「法定文書」か「一般文書」かの識別をする
  • 個人持ちの「一般文書」のうち明らかに不要な文書は廃棄する
  • 迷う文書は「判別保留」とする

ファイル用具

どのような「ファイル」、「バインダー」あるいは「個別フォルダー」や「ボックスファイル」が使われているのか、サイズと数量を調べ、現状のファイル用具の使い方を調べます。
全ての用具を前提に文書管理を導入しても統一感がありませんので、今後も使っていく用具と廃棄する用具を選別します。

ちなみに「日本ファイル・バインダー協会」という「国内におけるファイル・バインダー製品及びそのとじ具などの部品を製造するメーカーの団体で、製品規格化推進を目的として、昭和31年(1956年)に設立」された協会があり、そのホームページを見ると、かなりの種類があります。
大きく分類すると、「ファイル」と「バインダー」になりますが、殆どが「ファイル」に分類されると言っても過言ではありません。

ファイル :ファイルには「穴をあける」ものと、「穴を開けない」ものがあります。たくさん種類がありますが、いくつかに絞ると「フラットファイル」「パイプ式ファイル」「個別フォルダー」「ボックスファイル」の4種類で、ほぼ、カバーすることが可能です。

穴をあけるもの

・フラットファイル

ファイリングを指導する人たちは、通常、「穴をあける」式のファイルやバインダーを好まない傾向があります。
穴を開けて綴ると、配列が狂うことはありませんが、中間の資料を抜き取って廃棄したりすることがしにくいという欠点があります。
ワードクラフトでは、フラットファイルに30穴クリアポケットリフィールを使って発生順に穴を開けずに閉じています。案件などでは一件書類として時系列で綴じておくのには、個別フォルダーよりは利便性が高いと思います。
フラットファイルの背幅は通常は15ミリですが、あと10ミリ広げることも可能な仕様になっています。
A4の縦か横のフラットファイルがサイズとしては一般的です。

バインダー

日本ファイル・バインダー協会による「ファイル」と「バインダー」の定義では、「ファイル」は「記録済みの文書を閉じて整理保管する表紙」となっており、「バインダー」は「未記録の用紙を挟んでおいて記録できる表紙」となっています。
キングジム社の「キングファイル」は、分類上では「ファイル」の中の「パイプ式ファイル」になります。

・パイプ式ファイル(キングファイル)

フラットファイルに比べると表紙カバーが頑丈なので経年の劣化も少なく保存性の高い文書をファイルしておくのに一番使われていると思います。
背の厚みは40ミリくらいから100ミリくらいまであって、片開きと両開きがあります。背の幅に合わせた背ラベルで統一すると壮観な眺めになります。

穴を開けないもの

・フォルダー

俗に「個別フォルダー」と呼んでいますが、日本ファイル・バインダー協会によれば「穴を開けずにとじるファイル」の中で、ただの「フォルダー」になるようです。簡単に言うならまとまり単位でまとめた文書を二つ折りの厚紙(フォルダー)ではさみ、その「個別フォルダー」を垂直に立ててバーチカル・キャビネットに格納するための重要な用具となります。

一般的に「ファイリング」というと、この「個別フォルダー」をバーチカル・キャビネットに収納することを意味しています。

綴じていないため挟んである文書の順番が狂ったり、あるいは、部分的に喪失しても気づかなかったりする懸念があります。

通常は、並び順(名前順、地域順など)に従ってファイリングしていきます。コンピュータシステムが登場するはるか以前に開発された管理手法で、探すのはタブ(山)にきちんとラベリングしておき、その分類と並び順に従って、配列しておきます。

案件名や文書ファイルのタイトルを整理するのには向いていません。そのため日本固有の方式として「積み上げ」式と称する整理法を提唱する人たちも少なくありません。
小分類から中分類、中分類から大分類へとまとめ上げていく方法なのですが抽象化していく技術が必要とされ万人向けではないので、ワードクラフトとしては推奨しかねます。

・ボックスファイル

日本ファイル・バインダー協会のまとめでは「穴を開けないファイル」の中に「ボックスファイル」として分類されています。
一般に「ファイルボックス」とも言いますが、この呼称の違いについて書かれている記事が見当たりませんでした。ともかく協会が言うのですから、「ボックスファイル」が正式名と考えましょう。
通常は10センチ幅で「個別フォルダー」を入れる前提になっています。バーチカル・キャビネットを使用せずにボックスファイルを使うことを「ボックス・ファイリング」とも呼ぶようです。
この場合は、A4横型のボックスファイルを使用します。

ちなみにワードクラフトでは個別フォルダーにはA4横型のボックスファイル、フラットファイルにはA4縦型のボックスファイルに入れて使用していますが、それぞれ便利です。

頓活」では、基本的な背ラベルの種類を7種類にしています。つまり、事業所内で使用するファイル用具を7種類に限定して選んでもらいます。
推奨は、フラットファイル(背15ミリ)A4の縦と横、パイプ式ファイル(キングジム様)背厚40~60ミリ程度、個別フォルダー(3分の1タブ)、ファイルボックスA4の縦(主としてフラットファイル用)か横(主として個別フォルダー用)あたりからの選択が標準のように思っています。

まとめ

  • 「フラットファイル」「パイプ式ファイル(キングジム)」「個別フォルダ」「ボックスファイル」の4種類に分類して形状が縦か横か、数量 手間でなければメーカーと色も調べる
  • 背ラベルを想定して基本的にはファイル用具を7種類に集約する
  • 通常のファイル用具に収まらない文書の種類と形式も調べる(図面等)

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紙の文書管理は背ラベルから

紙の文書管理に必須のものは「背ラベル」です。
ワードクラフトは、ラベルプリンターの導入を推奨しています。文書が発生する都度に1枚からでも背ラベルをプリントアウトできることが重要です。
背ラベルには文書ファイルのタイトル以外に組織や置くべき場所、廃棄する時期などの情報も記載して組織的に統一することが重要なポイントとなります。